出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:旅行者の朝食 著者:米原万里 発行所:株式会社文藝春秋 発行年:2002年 単行本 2004年文庫本第一刷 著者。米原万里さんは2006年に56歳で亡くなった。ロシア語の同時通訳では右に出るものはいなかった。旧ソ連・ロシアからの要人来日のおりには、日本中の人がその要人の必ず横にいる姿をテレビで……