9月27日、A_RESTAURANTにおいて「サケマルシェウイーク2022 百万石乃白ナイト」と銘打って、地酒がペアリングされたディナーイベントが開催された。
このディナーは、8月中旬から9月29日まで石川県の24の酒蔵と34の人気飲食店の参加で開催された「石川の地酒と美酒の祭典 サケマルシェウィーク2022」の一環として企画された。
（※10月15日には「しいのき迎賓館」にて一般入場無料の『サケマルシェ2022』が行われる）
『百万石乃白（ひゃくまんごくのしろ）』とは、＜石川県内の酒蔵から石川県で栽培できる大吟醸酒に適した石川オリジナルの酒造好適米の育成が要望され、石川県農林総合研究センターが11年の歳月をかけて開発した＞割れにくく高精白（玄米の表面をたくさん削ること）に適した酒米の愛称（2020年に公募で決定。品種名は「石川酒68号」）。
他の特徴としては「すっきりとした味わいの日本酒が造りやすい」「フルーティで香り高いものに仕上がりやすい」「山田錦よりも台風などで倒れにくいため収量性も高い」などが挙げられる。
石川県では＜作り手（酒蔵、農家）、売り手（酒販店、飲食店など）、飲み手（消費者）がより良い関係を築くことができるように、百万石乃白のブランド化＞に取り組んでいる。
ディナーイベント当日は石川県酒造組合から8蔵が参加し、それぞれに個性あふれる『百万石乃白』で造られた日本酒と、その魅力を引き出すために作られたオリジナル料理が提供された。参加者には若い日本酒ファンが多く、特に女性の参加が目立ち、日本酒の市場の変遷を感じさせた。
百万石乃白×A_RESTAURANT
■「吉田蔵u 百万石乃白」 吉田酒造店
百万石乃白の美しいミネラル感、そして発酵由来のフレッシュな酸味、爽やかなガス感が特徴。添加物を一切使用せず、山廃造りというナチュラルな製法で造られている。
「畝須」
うねす（鯨の下顎から腹にかけてある縦筋の部分）／アンティーブ／グリーンマスタード／西京味噌／酢／花／にら系
■「加賀ノ月 百万石乃白」 加越
日本酒の原液を布の袋に詰め、槽（ふね）の中に袋を積み重ねる伝統的な紙しぼり。ほのかに香るバナナ香、フルーティーな旨味、原酒ならではのふくよかなアルコール感、後味のボリューム感、しっかりと残る甘味の印象。
「かすべ」
エイヒレ／カブ卸し／スープ／三ツ葉／生姜／白胡椒
■「奥能登の白菊 百万石乃白 純米大吟醸」 白藤酒造
香り穏やかでやわらかな透明感のある口当たり。すっきり爽やかな酸味とやさしい甘味、旨味が特徴的な純米吟醸。近年のトレンドとなっているスマッシュ・カクテルとして大葉を使って提供。
「白甘鯛」
甘鯛昆布〆／金時草（おひたし）／ぶどう酢（昆布チップ・昆布ジュレ） 杉の香り／沢庵／
■「天狗舞 COMON 純米大吟醸」 車多酒造
柑橘類の香りやパイナップルに似たほのかな甘い香り。心地よい甘味に伴った軽快な旨味が口中にひろがる。きれいな酸味とかすかな苦味が味わいを引き締めて上質な余韻を感じさせる。
「穴子」
穴子の焼／柿／ナシ／豆腐／バルサミコ／レモンの香り
■「神泉 純吟乃白」 東酒造
香りのバランスが良く淡麗な酒質の「金沢酵母」らしい、生熟成の良さを引き出された旨味とコク。口当たりが優しく、すっきりとした辛口の純米吟醸。お酒好きの女性を意識して造られた。
「ヤナギガレイ」
ヤナギガレイ／干貝柱／パンチェッタ／かもじネギ／セリ／パセリ
■「竹葉 百万石乃白 大吟醸」 数馬酒造
華やかながら落ち着いた吟醸香が上品な印象。心地よいふくらみがあり透明感を感じるきれいな味わい。
「宮崎牛」
宮崎牛モモ肉ロースト／巨峰／トリュフ／豆乳と竹葉の泡／ピーテンドリル（スプラウト）
■「 長生舞 白の大吟 百万石乃白」久世酒造店
金沢酵母と百万石乃白で醸したスッキリとした味の大吟醸。フルーティな香りの成分を多く含み、上品で華やかな吟醸香が広がる。
「秋鮭」
いくら正油／寿司（鮭の出汁で炊く。身も焼き解して入れる）／柚子
渡り蟹の味噌汁
■「おれの酒 Shiro 純米吟醸」 日吉酒造店
ナッツのローストのような香りも感じられ、色も濃いめで旨味のしっかりした甘口ながらも、すっきりとした味わいのお酒。
「味噌」（デザート）
シャインマスカット／白味噌／チーズ／生クリーム
text : Joji Itaya
photo : Toshimitsu Takahashi
参加酒蔵（順不同）
吉田酒造店 加越 白藤酒造 車多酒造
東酒造 数馬酒造 久世酒造店 日吉酒造店
A_RESTAURANT について