出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:味な旅 舌の旅 著者:宇能鴻一郎 発行所:中央公論社 発行年:初出1968年 1980年中央文庫 大正生まれの川上宗薫は1960年まで5回芥川賞候補になったが受賞を逸した。著者、10才年下の昭和生まれ、宇能鴻一郎は同人誌の短編デビュー後すぐに「鯨神」で芥川賞を受賞した。川上は1968年に、宇能……