出版にたずさわることから社会に出て、映像も含めた電子メディア、ネットメディア、そして人が集まる店舗もそのひとつとして、さまざまなメディアに関わって来ました。しかしメディアというものは良いものも悪いものも伝達していきます。 そして「食」は最終系で人の原点のメディアだと思います。人と人の間に歴史を伝え、国境や民族を超えた部分を違いも含めて理解することができるのが「食」というメディアです。それは伝達手段であり、情報そのものです。誰かだけの利益のためにあってはいけない、誰もが正しく受け取り理解できなければならないものです。この壮大で終わることのない「食」という情報を実体験を通してどうやって伝えて行くか。新しい視点を持ったクリエーターたちを中心に丁寧にカタチにして行きたいと思います。
書名:神々の食 著者:文・池澤夏樹 写真・樽見健吾 発行所:文藝春秋 発行年:初版 単行本2003年 文庫本2006年 池澤夏樹は90年代半ばから10年間沖縄に住んでいた。写真家の樽見健吾は復帰の時から沖縄に住んで沖縄を撮り続けている「南方写真師」の肩書きを持つ写真家だ。 本書はこの二人によって、……